ポリオキシメチレン（POM）は、アルデヒドポリマー、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒドとも呼ばれ、エンジニアリング熱可塑性樹脂です。密度は1.410～1.420 g/cm³です。優れた硬度、強度、剛性に加え、耐薬品性、寸法安定性、機械的強度、低摩擦係数も備えており、エンジニアリング用途において信頼性の高い材料です。

POM は優れた機械的特性と耐摩耗性を備えていますが、加工中にいくつかの問題が発生します。これは次のようにまとめられます。

1. ひび割れの問題

POM材料は加工中に割れが発生しやすく、特に高速CNC加工や深切削加工においてはその傾向が顕著です。これは、材料内部の応力の解放や冷却の不均一性によって引き起こされます。割れの発生を抑えるには、適切な冷却および加工パラメータの設定が不可欠です。加工中は、均一な冷却速度を確保し、急激な温度変化を避ける必要があります。適切な切削液の使用と切削速度の調整も、材料の割れのリスクを低減するのに役立ちます。

2. 変形の問題

POM樹脂は吸湿性が高いため、加工中の湿度や温度変化によって変形する可能性があります。POM材料は温度上昇により膨張し、冷却後に収縮する可能性があり、特に大型部品や複雑な形状の部品を加工する際に顕著です。また、POM加工時の切削力が大きすぎると、特に薄肉や微細構造の加工時に変形を引き起こす可能性があります。

3. 工具の摩耗

POMは硬度が低く、加工時の発熱は比較的少ないものの、粘着性があるため、工具の摩耗が急速になる可能性があります。工具の材質とコーティングの選択、そして適切な切削条件は、工具寿命を効果的に延ばすのに役立ちます。高品質の超硬工具またはコーティング工具を使用し、正確な切削パラメータと組み合わせることで、工具摩耗を低減し、加工品質を向上させることができます。

4. 表面品質の問題

POM樹脂のCNC加工において、表面品質の確保は重要な課題です。材料の特性上、表面に傷、ブラッシング、その他の凹凸が生じる場合があります。より滑らかな表面を得るには、切削パラメータを調整し、適切な工具を使用し、必要に応じて仕上げ加工や後加工などの様々な加工技術を適用することで、表面品質を向上させる必要があります。